クラウドファンディングのやり方とは〜7つの手順について丁寧に解説〜
起業し、事業を始めようとしているあなたにとって資金集めはとても大切な問題です。
近頃よく聞く”クラウドファンディング”という不特定多数の人からネットを通じて財源を集める方法も、資金調達の選択肢の1つです。
しかしそのやり方について詳しく知らない、そもそもクラウドファンディングというシステムについてよく分かっていないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、
・クラウドファンディングとはいったいどんなものか
・どういった種類があるのか
・それぞれどのような特徴をもつのか
について説明した後、
クラウドファンディングによって資金を調達する時の実際の手順について説明していきます。
目次
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは自身の実現させたい活動や夢を、インターネットを通して伝え、その活動や夢に対して共感をした方々から資金での支援を募る仕組みです。
クラウドファンディングには大きく以下の3つの種類があります。
- 金融型 (投資型・融資型)
- 購入型
- 寄付型
金融型
金融型とは、プロジェクト起案者がクラウドファンディングサイトでプロジェクトのアピールをし、プロジェクトの内容に共感した支援者から集めた資金で商品の製造や新事業を実施する資金調達方法です。
支援して下さった投資家の方々にはリターンとして、分配金や株式といった、金銭的なものをを返します。そのため、支援者、つまり投資家からすれば、資産運用方法の一つといえます。
金融型クラウドファンディングが市場に占める割合はこの市場の9割にも及びます。
(株式会社矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査」調べ)
金融型が向いているクラウドファンディングの分野は非常に幅広いですが、特に高額な資金を必要としているプログラムに向いています。
ただし、法律の規制が他のクラウドファンディングよりも厳しくなっているため、取り扱うクラウドファンディング業者が少ないです。
購入型
プロジェクト起案者がクラウドファンディングサイトでプロジェクトのアピールをし、プロジェクトの内容に共感した支援者から集めた資金で商品の製造や新事業を実施する資金調達方法です。
支援して下さった投資家の方々にはリターンとして、そのプロジェクトで作られた商品やサービスを支援者に配ります。
(金融型とは異なり、金銭的なリターンはありません。)
購入型が向いている分野やケースは、金融型と同様に幅広いです。特に支援者にとってリターンが嬉ばれるような音楽やゲームの分野で成功している事業も多いです。
ただし1口1,000円~などの少額で支援を募るため、資金調達額の規模は数万円~数百万円程にとどまり、金融型のクラウドファンディングと比較して高額の資金調達が難しいです。
事業成功のための資金をまずはクラウドファンディングで調達してみたい、という起案者の方におすすめの方法です。
どのタイプのクラウドファンディングにも言えることではありますが、クラウドファンディング業者によってそれぞれ違った特徴があるので、あなたの事業内容にあうクラウドファンディング業者を選択することが重要です。
寄付型
次に寄付型について説明していこうと思います。寄付型をざっくりと説明すると、募金と同じようなものです。
プロジェクト起案者はクラウドファンディング業者が運営するサイト上でプロジェクトをアピールすることで寄付を募るという方法です。
寄付型クラウドファンディングでは事業者が資金の運用方法を報告する場があるため、投資家が出資した後の状況を知ることができる、という点が募金とは異なっています。
もちろんこのクラウドファンディングの方法は寄付型なので、金融型や購入型とは異なり、支援者に対するリターンは行いません。
そのため、事業の内容が、社会に対しての貢献度が高い被災地支援や発展途上国支援、地方に活気を出させるための地方の町おこし支援などのプロジェクトを実施する場合に適しています。ただし、資金調達の金額の規模は数万円程度と低いです。
クラウドファンディングのやり方
次に実際にクラウドファンディングをする手順について説明します。
ざっくりと以下の流れで行います。
①プロジェクトの目標を細かく設定する
②利用するクラウドファンディングサービスを選択する
③プロジェクトを登録して、投稿する
④プロジェクトの審査をうける
⑤プロジェクトを発信して資金調達を開始する
⑥プロジェクトの支援者や閲覧者に対して定期的な活動報告をする
⑦プロジェクトが終了したら、お礼をする
各段階についてもう少し詳細に説明していきます。
プロジェクトの目標を細かく設定する
プロジェクトの内容や目標を細かく決め、調達したい資金金額や用途を細かく設定しておくことが、プロジェクトの成功のためには大切です。
またその際、今後のためにプロジェクトのターゲットを定め、リターンについてもしっかりと考えておくことが事業の成功のために重要です。
利用するクラウドファンディングサービスを選択する
日本には様々なクラウドファンディングのプラットフォームのがあります。あなたが行うプロジェクトの内容や、選択するクラウドファンディングシステムの種類(上で説明)によって、どのプラットフォームを選択するのが変わってくるので、どの種類があなたのプロジェクトにとって一番いいのかよく考えて選択しましょう。
プロジェクトを登録して投稿する
氏名や事業内容などの必要情報を登録して自分が考えたプロジェクトについて投稿しましょう。プロジェクトを投稿する際には、あなたのプロジェクトに対する思いをしっかりと書き込むことが大切です。
特に以下の点については必ず書き込んでおくべきです。
- プロジェクトを実施しようと思った経緯・動機
- プロジェクトの目的・内容(写真や動画を使って分かりやすく伝えることもok)
- 支援してもらった資金の使い道
プロジェクトの審査をうける
登録したクラウドファンディング業者の審査を受けて、初めて審査に通った後に実際にプロジェクトを発信して資金調達を開始することが可能になります。
プロジェクトを発信して資金調達を開始する
目標金額÷募集期間があなたが1日に集めなくてはいけない金額となります。
支援はプロジェクトを開始した時と、終了日近くに伸びる傾向にあります。
また、プロジェクトがニュースサイト等に取り上げられた時には一時的に支援が増える傾向にあります。
プロジェクトの支援者や閲覧者に対して定期的な活動報告をする
活動報告をすることで、支援者になろうか悩んでいる人に訴求したり、既に支援者になってくれた人とのコミュニケーションにつながります。
YoutubeやFlickrを利用して、動画や画像もアップすることで、新たに支援者になってくれる可能性のある人達に訴えることや、既に支援者になってくれている人への感謝を示すことが出来ます。
プロジェクトが終了したら、お礼をする
リターンのあるもについては、そのリターンを配当することはもちろんのことですが、メッセージやTwitter、Facebookのコメントを利用して支援してくれた人にきちんとお礼をする事で、あなたの信頼性は上がり、もしかしたら支援してくれた人が強力なディストリビューターになってくれるかもしれません。
支援してくれた人には誠意を表現し、自分のプロジェクトに巻き込みましょう。
ただし、メールアドレスや個人情報等を取得することや、執拗にメールを送るような行為は絶対にやめましょう。
まとめ
資金集めの方法としてクラウドファンディングといっても、そのなかには金融型、購入型、寄付型の3種類のものがあります。
あなたのプロジェクトがそれらのうちどのようなタイプのものであるかによって、取るべき選択は変わってきます。
従って、プロジェクトの目的や目標などを事前に明確にしておくことが資金調達においても大切になってきます。
また、クラウドファンディングは、今まであなたのことやあなたの事業について知らなかった、不特定多数の人から投資してもらうものであるため、投資して下さる人達に誠意をみせるためにも、そして今後自身のプロジェクトを応援し続けてもらうためにも、活動報告をしっかりと行い、プロジェクトが終了・成功した時にはきちんとお礼をする事も大切です。
ブロックチェーン技術を用いたスタートアップで全く新しいプロダクトの開発や実証実験に携わりながら、ブロックチェーンの聖地であるスイスのチューリッヒ大学でその応用について研究し、日本国内においては企業に対する戦略面を考案するコンサルティングも行っている。https://naokiide.com/