スタートアップを成功させるために気を付ける3つの注意点~スタンス面・人間関係・資金面~
スタートアップは、新規ビジネスを開発したり、イノベーションを起こすことを目的としているため、成功させるためには共通の心構えが必要とされます。
そして、心構えと同時に実際に注意しなければならないこともたくさんあります。
3つの注意点を「スタンス面」「人間関係」「資金面」に分類し、それぞれの注意点と実際にあった具体例を紹介しながら、最後にスタートアップ成功に必要な心構えを解説していきたいと思います。
スタンス面での注意点
スタートアップ成功のためにメンタル面で注意点とメンタル面での実例をご紹介します。
基本は楽観的であること
スタートアップは予測不能の出来事が次から次へと起こります。
様々なリスクに対応できるように身構えるのも大事ですが、心の底では常に楽観的である方が心も折れません。
心が折れてしまった時点でそのスタートアップは失敗してしまいます。
途中で心が折れないためには最悪失敗してもいいと思えるぐらい楽観的である必要があります。
世の中の情報に敏感であること
世の中はどんなことに困っていて、どうしていきたいんだろうということを常に考えましょう。そのためには情報に細かくアンテナを張っていなければなりません。
先週の情報がもう時代遅れになるような世の中ですから、最新の情報をいつでも受け取れることができるように心がけましょう。
同じ境遇の仲間を作ること
「スタートアップは一人でやるもの」と考えている人が多いですが、仮に事業を一人で進めるとしても、同じようにスタートアップを考えている仲間やすでにスタートアップを進めている人と繋がっておくことで多くの気づきがあります。
先述した世の中の情報に対しても、同じ境遇の仲間からの情報は眼からうろこが落ちるほどありがたいものが数多くあります。
スタンス面での実際にあった例
楽天創業者の三木谷氏を例にあげます。
楽天を創業した三木谷氏は具体的なスタートアップ内容を全く決めずにとりあえず起業したそうです。
ただ「新しい産業で日本経済の活性化を図りたい」という強いビジョンだけは持っていました。
スタートアップ時の1996年、まだインターネットビジネスは懐疑的な時代での起業でした。
周囲が猛反対するものの、三木谷氏は自分のビジョンを信じ抜いて楽天を起業しました。
少々強引なスタートアップであったにもかかわらず、世の中の課題に対して常にアンテナを張り、課題を解決する社会的使命だけがスタートアップを成功させるという信念は誰にも負けなかったと言われています。
人間関係での注意点
スタートアップ成功のために人間関係で注意することは、自分一人で全てをやろうと思わないことです。
まずは人脈を広げる
同じようにスタートアップを考えている人や、実際にスタートアップにかかわっている人と繋がることから始めましょう。メンタル面での項目の中でも述べましたが、情報収集の面でも人脈は大事です。
別の業種のスタートアップ仲間から、思いもよらなかったコラボレーションが生まれたりすることもあります。
人脈の中から選定する
人脈を広げていく中で、その中から自分がこれから付き合っていけそうな人物を選定しましょう。選定というと言葉が悪いように聞こえますが、自分に益のない人物に時間を割く必要はありません。
友人作りとは別の感覚で、ビジネス視点での人脈選定をすることで、あなたのスタートアップの助けになってくれる人の輪が広がっていくことでしょう。
うまい話には要注意
人と幅広く繋がるということは、当然その中に悪意を持った人物がいる可能性があります。
一般的には交流をいう名前を借りたネットワークビジネスの勧誘であったり、恋愛を目的として近づいてくる人もいます。
また、あたりの良い言葉で出資を依頼されたり、借金の申し出などの話もよく聞きます。
「詐欺もビジネスのうち」という人もいますから、うまい話に乗せられて本業のスタートアップから脱線してしまわないように注意しましょう。
人間関係の実際にあった例
Linkdin創業者のリード・ホフマン氏を例にあげます。
Linkdinのホフマン氏は、シリコンバレーを拠点としてビジネスを拡大してきましたが、成功しているシリコンバレーの企業は積極的に社外の人間と情報共有していると話します。
自分のスタートアップだけに目を向けず、外を向いていることでシリコンバレーには常にイノベーションが起こっていると考えています。
実際ホフマン氏は、繋がるSNSであるLinkdinサービスを立ち上げるために、様々な業種の創業者と繋がりを持ち、彼らの意見を自身のサービスにうまく取り入れています。
資金面での注意点
スタートアップ成功のために資金面での第一の注意点は「資金の調達先」です。
まずは公的融資制度から
事業資金の調達はまず銀行などの金融機関からの融資から検討するケースが一般的です。ただ銀行や信用金庫は融資審査の基準が厳しいため、融資が受けられない可能性もあります。
スタートアップの事業資金の融資を検討する場合、日本政策金融公庫や地方自治体の融資などの公的融資を検討することをお勧めします。
政府や自治体が運営しているため、低金利での融資制度があります。
アイデア次第ではクラウドファンディング
スタートアップの内容が人々の関心を引くようなものであれば、クラウドファンディングでの資金調達も一つの方法です。
クラウドファンディングでの資金調達は、「このスタートアップに出資したい!」と思わせるプレゼン力も必要となるため、スタートアップのアイデア自分自身で見直す良いきっかけにもなります。
人に説明することで改めて自分の中で気づかなかった発見をすることもあるのです。
身内や友人からの融資は最後の手段
スタートアップを応援してくれる家族や友人がいる場合、ついつい資金面でも便りがちになってしまいますが、これはお勧めできません。
家族の場合でもお金の貸し借りをする場合は借用書を作成する必要があり、怠ってしまったために税務署から「贈与」とみなされて贈与税が課税されてしまったケースもあります。
友人に関しては、基本お金の貸し借りをするべきではありません。
スタートアップビジネスに注力するあまり、友人の本当の意味を見失ってしまう可能性があります。
本来友人というものは「利害関係が発生しないこと」が前提です。この一線は超えないようにしましょう。
冒頭で「最後の手段」と言っていますが、家族や友人に借金をしなければならないスタートアップならやらない方がマシです。
資金面での実際にあった例
「MiddleField」というクルマやバイクのカスタムパーツ事業を展開するサービスがあります。
日本政策金融公庫の融資からスタートし、創業数ヶ月で2,300万円の資金調達に成功します。
MiddleFieldが行った融資の方法は、まず少額からの融資を受けます。そして少額ながら返済実績をきっちりと作ることによって、次回の融資金額を拡大することに成功しました。
また、融資と出資を繰り返し行うことで資金を潤滑に回せたことも成功の一因といえるでしょう。
スタートアップ成功の最も大事な心構え
スタートアップを成功させるため、ぜひ心がけて欲しい内容を3点ご紹介します。
ブレない経営理念を持っている
スタートアップの創業者の心構えは、まずは自分の経営理念がブレないことを信念としましょう。
逆にいうと、ブレない経営理念がないうちにスタートアップを立ち上げてはいけません。
経営理念は自分から周囲のメンバーに、そして顧客へと伝わっていきます。
自分がブレてしまう事でビジネスの方向性そのものが変わっていってしまうことになります。
ビジョンは「一言」で言える
あなたはスタートアップのビジョンを一言で言えますか。
少ない明確な言葉で企業のビジョンを説明することができます。
現在世にある多くの企業では、ビジョンを一言で表しています。
テレビコマーシャルなどでリクルート社の「まだここにない、出会い」は聞いたことがあると思います。
リクルート社は人材・ウェディング・旅行・グルメ・住宅など数多くのジャンルのビジネスを持っていますが、この一言によって、人と人の出会いをネットが繋げるというビジョンをはっきりと述べています。
課題は何かを常に把握する
スタートアップ成功に向けたはじめの一歩が「課題発見力」です。
「課題」というと大袈裟かもしれません。あなたが「もう少しここが便利だったら」と思う程度で十分です。
自分が当たり前と思っていることは、実は他の人にとって課題であるケースは多いのです。
課題を見つけたら、次は課題の解決方法を探ります。
課題の解決には自分の経験が重要なのですが、自分では体験できないことも数多くあるため、課題に関係する人たちに会ってヒアリングすることも重要です。
「自分がこの立場だったら」という当事者意識を持つことが何よりも大事です。
まとめ
スタートアップが成功しないケースでありがちなのが、商品そのものやサービスに気を取られてしまい、カスタマーが抱えている課題を疎かにしてしまうことです。
人の繋がりと同様で、課題に関しても内側を向いているだけでは何も解決することができません。
内側に向いているということは、スタートアップそのものが目的となってしまっていることです。
スタートアップはあくまで手段で、その先にはたくさんの課題があり、解決したいと思い続けることがあなたのスタートアップを成功へと導いていきます。
外側を向くということは、自分とは違う価値観に触れなければならないために相当なストレスとなります。
ストレスに負けることのないように、まずは楽観的に構えることを基本とし、その上で人や情報と常に繋がっていること。
その情報は常に課題解決のための材料としていくようにしましょう。
その繰り返しによって、あなた自身も創業者として成長し、あなたの手掛けるスタートアップ事業も同時に成長していくでしょう。
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